東京大学トランスレーショナル・リサーチ・イニシアティブ機構(TR機構)は製薬企業が開発中止した化合物リストから、創薬研究する新プログラムをスタートさせる。現在、製薬企業6社と覚書を締結していますが、さらに多くの企業に参加を呼びかける。

 東京大学TR機構によると、この新プログラムは「ドラッグ・リダイレクションプログラム」。製薬企業は開発研究段階でプロジェクトを中止した化合物のリストを作り、TR機構に提出する。東京大学の研究者はこのリストの中から、研究に使用したい化合物を選び、研究対象とする疾患治療法の仮説検証に利用する。

 研究者の仮説検証には、多くの化合物が必要になるが、これまで入手が大変困難だった。企業が開発中止した化合物の中には、臨床試験を終えているものもあり、創薬に必要なほとんどの部分を省略できる。このため、大学側の負担が軽減され、製品化までの時間が短縮できる。
企業側も研究開発を中止した化合物の有効活用を目指す動きが出ているが、いずれ廃棄する運命の化合物から企業側の労力をかけることなく、新薬が誕生する可能性が広がる。

 東京大学TR機構は今後、新薬研究に当たる研究者を学内だけでなく、このプログラムに賛同する他大学、研究機関にも広げる考え。より幅の広い研究者の参加で、新薬創出が進むことを期待している。

東京大学
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明治10年設立。日本で最も長い歴史を持ち、日本の知の最先端を担う大学

東京大学は東京開成学校と東京医学校が1877(明治10)年に統合されて設立されました。設立以来、日本を代表する大学、東西文化融合の学術の拠点として、世界の中で独自の形で教育、研究を発展させてきました。その結果、多岐にわたる分野で多くの人材を輩出し、多くの研究成[…]

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大学ジャーナルオンライン編集部

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