東京大学生産技術研究所都市基盤安全工学国際研究センターの本間研究室は、建物による影響が大きい都市部での花火大会において、建物詳細数値地図データを用いた打ち上げ花火の視認性評価技術を発表した。

 都市部で打ち上げ花火を観賞する際、ガイドブック等で「花火の見える名所」と紹介されていても、周囲の高層な建物群によって視界に届くはずの花火が遮蔽されてしまうことがあり、真に花火が良好に見えるかについては、実際に現地に赴き自らの目で花火が見える様子を確認しなければならない。

 そこで、今回の研究では、建物による遮断と観測位置などを厳密に考慮した上で、視界にとらえられる花火の量を定量的に評価。具体的には、視対象となる打ち上げ花火が視界でどの程度の大きさを占めるかを視対象の見かけの大きさを数値化した物理量である「立体角」と、花火の全形のうちどの程度の割合が視界にとらえられるか、立体角の定義から算出される「可視率」を評価指標とした。

 実証分析として、東京都心部で開催される神宮外苑花火大会を取り上げ、打ち上がる花火をコンピューター上でシミュレートし、「立体角」「可視率」の各評価値をその周辺地域に適応する形で抽出した観測地点ごとに計算。道路上から花火を眺める場合、建物の屋上から花火を眺める場合において、それぞれ各評価値の大小によって色を塗り分けたマップを作成し、花火をより楽しめるポイントを視覚的に示した。

 今回は打ち上げ花火というエンターテインメント性の部分が大きい景観を扱ったが、この研究は種々の視対象へと幅広く応用でき、今後は、地震による火災避難時の煙視認性や避難指示版の適切な配置計画など防災分野への適用を目指していく。

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大学ジャーナルオンライン編集部

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