大阪大学 大学院理学研究科 基礎理学プロジェクト研究センター 原田明特任教授(常勤)らの研究グループは、これまでにない新しい設計原理の自己修復材料を開発したと発表した。

 産業界において注目が集まっているのが、損傷を受けても傷を自発的に修復する材料(自己修復材料)だ。従来は「凹んでも元に戻る」という材料自体の特性を利用したものや、分子レベルで切れても繋がる可逆的な結合を組み込んだ自己修復材料が多く開発されてきた。
一方、「硬いものは傷つくと修復しにくい」という課題は解決されておらず、これを解決する新しい設計原理での自己修復材料の開発が望まれていた。

 研究グループは、ポリロタキサンという特殊な構造の高分子をベースとし、その間に切れても繋がる可逆的な結合を導入した設計の自己修復材料を開発した。この材料は、溶媒を含んだ状態では、切断・再接触させても10分以内に修復率が元の80%以上まで回復し、また溶媒を含まないフィルムの状態では、表面につけた傷が30分以内にほぼ100%まで回復するという極めて速く効率の高い自己修復性を示すことを明らかにした。

 この材料は、自己修復材料の設計指針に新たな可能性をもたらし、コーティングなどの化成品から医療用材料まで、幅広い分野への応用が期待されるとしている。

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大学ジャーナルオンライン編集部

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