大阪府立大学生命環境科学研究科の中野長久客員教授と株式会社ユーグレナは、ユーグレナ(和名:ミドリムシ)を継続的に摂取することで胃潰瘍を緩和することを示唆する研究結果を確認しました。ユーグレナ社は2014年に東証一部上場を果たした日本のバイオベンチャー企業ですが、産学連携の研究も積極的に行うことで研究畑からも注目を集めています。

 小学校の理科で習うようにユーグレナは動物が行う運動と植物が行う光合成の両方を併せ持つ微生物です。食品としてみると栄養面でも両方の特徴があることが指摘されていました。ユーグレナ社の出雲充社長はこの点に着目し発展途上国での栄養不足解消のカギになるのではないかと考え、大量培養に着手・成功させました。最近では大学などでの研究が進み、様々な健康への効果にも注目が集まっています。

今回の研究成果はユーグレナ粉末が胃潰瘍の症状緩和に効果があるというものです。胃潰瘍は胃酸が粘膜や胃そのものを傷つけ、痛みや出血を起こす病です。ストレスや細菌の感染が主な原因として知られています。中野客員教授が行った実験では通常の食事とユーグレナ粉末を混ぜた食事を与え続けたラットに、ストレスをかけることで胃潰瘍を引き起こしました。胃の状態を調査したところ、通常の食事を摂取したラットよりもそのユーグレナ入りの食事をとったラットの方が胃潰瘍で傷ついた範囲が狭くなっていることが確認できました。

健康にも様々な効果があると期待を集めているユーグレナですが、こうした研究が進むにつれて思いもよらない効果が発見されるかもしれません。教科書にも載っているような昔から知られている生物も、産業界でスポットライトを浴びたことで研究者も熱い視線を注いでいます。

出典:【大阪府立大学】微細藻類ユーグレナの継続摂取により胃潰瘍症状の緩和を示唆する研究結果を確認

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大学ジャーナルオンライン編集部

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