海洋の漂着ゴミの大多数を占めるプラスチックゴミ。なかでも、自然の中で数mm以下にまで微細化した「マイクロプラスチックス」は、PCBなどの有害な化学汚染物質を吸着し、魚や海鳥に誤飲されることで容易に生態系に入り込むことが危惧されています。九州大学は、愛媛大学、東京海洋大学、東京農工大学との共同プロジェクトとして、2015年度から、世界初となる南極海から日本沿岸までの太平洋縦断航路でのマイクロプラスチックスの調査を行うことを決定しました。このプロジェクトは環境省の環境研究総合推進費による支援を受けて実施されます。

 研究代表者の磯部篤彦教授(九大)は、瀬戸内海各所でマイクロプラスチックスを採取し、岸に近いところほどサイズが大きい傾向があることに注目しました。海表面近くになるほど岸に運ばれる力を受けやすいため、浮力のかかる大きなプラスチック片は岸に運ばれやすく、海岸に打ち上げられたプラスチック片は劣化して破砕します。こうして微細化したプラスチック片は再び波にさらわれ、より深い層にも漂流層を広げて岸に運ばれにくくなり、結果としてマイクロプラスチックスは沖へと分布域を広げていくと磯部教授は考えています。

 今回のプロジェクトでは、日本沿岸から南極海に至る太平洋縦断航路でマイクロプラスチックスを採取し、その分布と輸送過程、環境リスクが顕在化するまでの過程を解明することが目的とされています。さらに、新たな海洋汚染物質であるマイクロプラスチックスの調査手法を確立し、減プラスチック社会へのロードマップを策定するとともに、積極的に情報を発信し、社会に「海洋プラスチック汚染」の実態を周知してゆくとしています。

出典:【環境省】沿岸から大洋を漂流するマイクロプラスチックスの動態解明と環境リスク評価(PDF)

九州大学
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大学ジャーナルオンライン編集部

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