線路のメンテナンスを手がける株式会社濃建(岐阜県不破郡垂井町)は、奨学金の返済に窮する若者や経済的な理由で進学を諦める若者を減らすため 「働きながら学校に通う」新・奨学制度「Work Student」をスタートさせる。

 経済的な理由から進学を断念する若者や貧困の連鎖から抜け出せない状況にある若者たちの問題を解決するため、株式会社濃建は2017年入学の学生を対象に「Work Student」制度を導入する。濃建の夜勤専門部署で勤務しながら、昼間、大学等の各種学校へ通学する「働きながら学校に通う」奨学制度で、一般的な奨学金支給額は4年間で多くても250万円ほどだが、この制度での濃建からの支給額は4年間で約1000万円と約4倍。卒業後は他の学生と同様、自分の希望する進路に就職できる。

 さらに、入学金等の事前準備の費用の事前支払いや勤務地付近(岐阜県羽島市)に無料で住居(光熱費無料)も提供してくれる。そのため、名古屋市内の大学への通学も可能。また、勉学に打ち込んで貰うため、賞与等の査定は「学校の成績」とし、昇給賞与等を支給するという特徴もある。

 実施期間は、2017年4月以降(学校に入学した時期)より卒業まで。貧困な環境ながら将来の為に大学等に進学したい18歳以上の人のほか、学費で困っている奨学金の利用者、新聞奨学生、母子家庭や生活保護受給世帯、学費の為にブラックバイトや風営法適用企業で働く学生などの現役の学生も対象となる。募集人員は年間5名程度。選考方法は、仕事・職場体験会を含む面接2回。募集締め切りは2017年2月28日までだが、定員に達した場合はその時点で受付終了となる。

 濃建はこの制度を通じて「働きながら学校に通う」という選択肢を必要としている若者に働く場を提供し、若者に対して選択肢を提示できるビジネスモデルを持つ企業に対しての啓発と実施支援を行っていきたいとしている。

 

 

大学ジャーナルオンライン編集部

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