財務省所管の特殊会社、日本政策金融公庫は、全国の高校生以上の子供を持つ保護者を対象に「教育費負担の実態調査」を実施し、その調査結果を公表した。

 調査は25歳以上64歳以下の男女、かつ、高校生以上の子供を持つ保護者を対象に2016年8月9日~23日までの期間、インターネットで行われた。有効回答数は4,700 人。

 調査によると、高校入学から大学卒業までに必要な入在学費用は、子ども1人当たり975万円。2015年の調査では、899.4万円だった。入学先別にみると、私立大学文系に入学した場合の累計金額は962.5万円、理系で1,147.1万円、国公立大学では752.3万円。自宅外通学者への年間仕送り額は、子ども1人当たり平均145.1 万円。大学4年間の仕送り額は約580万円で、さらに、自宅外通学を始めるための費用として 41.9万円が必要となることがわかった。

 また、平均世帯年収は、855.0万円。2015年の834.4 万円と比べ20.6万円多く、2年連続の増加となった。世帯年収に占める在学費用(子ども全員にかかる費用の合計)の割合は、平均16.1%で2015年より1.7ポイント低下。年収階層別にみると、年収が低い世帯ほど在学費用の負担は重くなり、特に、「200万円以上400万円未満」の層では平均負担割合が36.6%で、年収の3分の1以上を占めている。

 教育費の捻出方法は、「教育費以外の支出を削っている(節約)」が 28.2%と最も多く、続いて「預貯金や保険などを取り崩している」(22.1%)、「子供がアルバイトをしている」(19.6%)、「奨学金を受けている」(17.7%)と続いた。過年度の調査結果と比較すると、「残業時間やパートで働く時間を増やすようにしている」、「共働きを始めた」、「特に何もしていない」が増加した一方、「預貯金や保険などを取り崩している」、「奨学金を受けている」は減少した。

参考:【日本政策金融公庫】世帯年収に占める在学費用の割合は 16%と前年に比べ低下(PDF)

大学ジャーナルオンライン編集部

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