日本電信電話株式会社は、スポーツにおける「心」と「技」を鍛える新しいトレーニング法の確立をめざし、スポーツ脳科学(SBS)プロジェクトを2017年1月に発足した。その第一弾として、東京大学運動会硬式野球部、慶應義塾体育会野球部の協力のもと、アスリートのパフォーマンスと脳情報処理の特性の関係を明らかにする研究を本格的に開始する。

 スポーツでは、心・技・体が重要とされているが、従来のスポーツ科学のアプローチは主に「体」のメカニズム解明に焦点が当てられ、「技・心」のメカニズムは科学的に解明されていない部分が多くある。そこでSBSプロジェクトでは、NTTの研究所で長年培ってきた脳科学的な研究アプローチと最先端の情報通信技術を融合し、アスリートの無自覚的(潜在的)な脳の働きを解明することで、勝つための「心」と「技」を支える脳を鍛えることを目指す。

 その第一弾として、東京大学運動会硬式野球部、慶應義塾体育会野球部の協力を受け、多様な能力を持つ選手の脳情報処理の特性とパフォーマンスとの関係を明らかにする。

 研究では、投手や打者のパフォーマンスと筋活動、心拍数といった生体情報を同時に測定できる“スマートブルペン”での投球動作、打撃動作の精緻な生体計測と、従来から行っている実験室での脳機能計測・評価を並行して実施し、脳情報処理における選手個人の特性とパフォーマンスとの関係を解析する。脳機能の評価には、眼球などの動きから心の状態を深く読み取るbody-mind reading技術などのといった独自の解析技術を活用する。

 また、実戦での生体情報を計測し、選手の運動量変化では説明できない心拍数の変化を捉え、この変化から推定されるメンタル状態と、映像データやスコアデータから推定されるケーム中の選手のパフォーマンスとの関係も解明する。

 今後は、ジュニアからアマチュア、プロのレベルまで様々な層のアスリートと連携し、アスリートが持つ潜在的な脳情報処理メカニズムの解明し、さらに、研究で得た知見をもとに、アスリートの脳を鍛えパフォーマンス向上を支援する新しいトレーニング手法の確立を目指す。

東京大学

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大学ジャーナルオンライン編集部

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