職業経験を積むために企業や組織で労働に従事するインターンシップについて、学生の9割が満足しているのに対し、企業の3割が不満を持っていることが、文部科学省の調査で分かった。

 調査は2016年10~11月にかけて全国の大学生、大学院生、短期大学生、高等専門学校生3,386人、従業員5人以上の新卒採用企業701社、大学、短大、高専1,019校から回答を得た。

 それによると、インターンシップは企業の55.6%、大学の58.9%が実施し、学生の30.5%が参加していた。実施期間は学生、企業とも5日未満が最も多かった。学生の応募ルートは大学からの紹介が36.7%にとどまり、就職サイトや企業のホームページなどを参考に自分で申し込むケースが56.6%に達している。

 満足度は学生の36.6%が「大いに満足」、54.6%が「どちらかというと満足」と答え、前向きな評価が全体の91.2%を占めた。これに対し、企業は71.8%が満足しているものの、28.2%は不満と回答している。しかし、企業の98.6%が継続の意向を示した。

 インターンシップの内容は業務経験型が最も多く、4割以上を占めた。学生のうち、42.8%はインターン先に「就職活動をした」、「就職活動をする予定」と答え、49.9%が企業からプレエントリーを勧められている。インターン先から内定を得た学生は、全体の22.2%に上った。
インターンシップに参加しなかった学生の主な理由は「学業で忙しい」(29.7%)、「インターンシップの内容に魅力を感じなかった」(22.6%)。企業に実施上の課題を尋ねたところ、「社内調整が難しい」(64.4%)、「社内の人員、実習場所の確保が難しい」(57.6%)が多かった。

参考:【文部科学省】インターンシップの推進等に関する調査研究協力者会議(第3回)配付資料

大学ジャーナルオンライン編集部

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