九州大学大学院医学研究院の國﨑祐哉助教とアルバート・アインシュタイン医科大学(米国)の共同研究グループは、骨などの元になる間葉系幹細胞も遺伝子やタンパクの発現パターンにより分類できること、さらにこれらは異なるサイトカイン(造血幹細胞を維持するための物質)を産生していることを世界で初めて明らかにした。これは、生体内における幹細胞の複雑な維持機構の一端を解明したものという。

 幹細胞は、生物のあらゆる細胞、臓器を形成する能力をもつ細胞だ。生物は、発生初期の一つの細胞(幹細胞)から生まれる。近年の研究により胎児期だけでなく成人のあらゆる臓器にも、その臓器を再生する能力がある「臓器特異的幹細胞」の存在がわかってきた。これらの細胞は、生涯にわたって無限に増殖する能力があり、通常多くの細胞は「眠った状態」で存在し、傷害時など必要に応じて増殖・分化する。

 幹細胞は、「ニッチ」と呼ばれる特殊な環境下でのみ「眠った状態」のままでいることができる。ヒトの血液にも、すべての血液細胞を作る元になる細胞(造血幹細胞)が存在し、主に骨髄に存在する。骨などの元になる間葉系幹細胞がその「ニッチ」細胞として知られていたが、その詳細なメカニズムは不明だった。

 今回、「造血幹細胞ニッチ」を構成する間葉系幹細胞は、その分布と発現タンパクより2種の細胞(NG2陽性細胞とレプチン受容体陽性細胞)に大別することができ、これらの細胞は各々が異なるサイトカインを産生し、異なる環境を形成していることが分かった。今回のこの発見は、造血幹細胞の効率的な増幅法の開発、ひいては再生医療の加速に貢献すると期待される。

九州大学

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大学ジャーナルオンライン編集部

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