文部科学省は2017年度からの新規事業として小中学生を対象とするジュニアドクター育成塾をスタートさせる。高い意欲や突出した能力を持つ小中学生を発掘し、大学などで英才教育して未来の日本を担う人材に育てる事業で、科学技術振興機構で実施機関の募集を始めた。

 科学技術振興機構によると、募集対象は国公私立大学、高等専門学校、公的研究機関、博物館、科学館、NPO法人、公益法人、民間企業。採択は10機関程度を予定しており、1機関当たり年1,000万円を上限に最大5年間支援する。

 ジュニアドクター育成塾は週末や夏休みを利用し、1~2年かけて実施する。全国の大学、研究機関、企業などに拠点を設け、各拠点で理数、情報など特定分野で飛び抜けた才能を持つ小中学生を選抜、研究者や専門家による個別指導や実験参加の場を設ける。
最終段階では、各拠点のトップクラスを集め、数日間の合宿を実施してノーベル賞受賞学者の講演を聴くほか、優秀な児童生徒の海外派遣も検討する。

 大学や高校では未来のリーダー人材を育成する取り組みが盛んになってきたが、義務教育段階ではこうした取り組みがほとんどなかった。特に優れた小中学生は高いレベルで学ばないと学習意欲が落ち、能力が埋もれるとする研究結果も出ているだけに、高い能力を持つ児童生徒を育てる新事業の効果に注目が集まりそうだ。

参考:【科学技術振興機構】平成29年度新規事業「ジュニアドクター育成塾」の募集について

大学ジャーナルオンライン編集部

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