京都大学大学院医学研究科の椛島健治教授らの研究グループが開発中のアトピー性皮膚炎治療薬がかゆみの抑制に効果を持つことが、九州大学、東京逓信病院、ドイツ、米国の研究機関などとの共同治験で確認された。新たな治療手段の確立に朗報となりそうだ。

 京都大学によると、研究グループは国内外の中等症から重症のアトピー性皮膚炎患者264人に対し、開発中の治療薬を投与し、かゆみの発生に関与するとされるインターロイキン-31(※1)受容体への効果と安全性を検証した。その結果、かゆみに対する有用性が確認されたが、重い副作用は見られなかった。

 アトピー性皮膚炎の患者はかゆみのために寝つくまでに時間がかかるうえ、夜中にかゆみで目が覚めることもある。このため、研究グループは開発中の治療薬が不眠にも有効であるとみている。

 アトピー性皮膚炎はかゆみと湿疹が主症状の皮膚疾患。慢性的に悪化と回復を繰り返し、患者とその家族の生活に大きな影響を与えている。椛島教授は「この治療薬がかゆみを抑制したことにより、インターロイキン-31がかゆみと深くかかわっていることがあらためて確認できた。インターロイキン-31の制御がアトピー性皮膚炎の治療手段として大きな一助になるのではないか」とのコメントを発表した。
(※1)インターロイキン-31 アトピー性皮膚炎のかゆみの原因とされる物質で、主にヘルパーT細胞から産出される

京都大学

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大学ジャーナルオンライン編集部

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