私立大学の収入の50%以上を授業料など学生納付金が占めている実態が、文部科学省の有識者会議に提出された資料で分かった。関西大学元学長で、日本私立学校振興・共済事業団理事長の河田悌一委員が提出したもので、財務改善には寄付金獲得へさらなる努力が必要としている。

 同資料によると、全国544の大学法人、112の短期大学法人の2014年度決算を見ると、全大学法人の収入合計6兆1,077億円の51.4%に当たる3兆1,373億円、短大法人の収入合計1,617億円の59.7%に当たる1,010億円を学生納付金が占めた。
寄付金は大学法人で3.1%の1,876億円、短大法人で3.4%の58億円にとどまっている。資産運用収入も大学法人で2.4%の1,454億円、短大法人で1.9%の32億円でしかない。

 寄付金は、大規模校の慶應義塾大学が85.6億円、日本大学が42.5億円、早稲田大学が35.6億円と国公立大学の有力校並みに集めているが、ウェブサイトに寄付募集案内ページがある私立大学は全体の39%にとどまった。国立大学の96%が寄付案内ページを持つのに比べ、取り組みの遅れが目立つ。

 米国の私立大学は寄付金や資産運用、産官学連携の研究資金などを中心に経営を考えてきた。これに対し、日本の私立大学は学生納付金と公的補助に依存している。このため、米国のような寄付金文化が育っていない。
 公的補助の私学助成金は1980年代に大学収入の30%近くを占めていたが、国の財政難もあって、2014年度は大学法人で10.0%、短大法人で25.7%に低下した。河田委員は「これからは各私立大学が寄付金確保にもっと努力を傾けるべきだ」としている。

参考:【文部科学省】私立大学等の振興に関する検討会議(第12回)配付資料

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大学ジャーナルオンライン編集部

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