株式会社ベネッセホールディングスの社内シンクタンクであるベネッセ教育総合研究所では、2016年8月から9月にかけて、全国の公立の小・中学校、公立・私立の高等学校の校長および教員を対象に「第6回学習指導基本調査」を実施し、その調査結果を公表した。

 調査によると、「次期学習指導要領に向けた教員の意識や学校の対応状況」に関する質問で、「グループ活動を取り入れた授業」を意識している教員の割合は小・中・高校とも10年比で増えており、特に高校(公立)での変化が大きく、31.3pt増加している。
一方、意識が減少しているのは、小・中学校では「計算や漢字などの反復的な練習」、高校では「教師主導の講義形式の授業」だった。

 また四年制大学進学率81%以上の高校(公立普通科)の46.6%が「思考力・判断力・表現力を測るテスト問題の研究」に、56.6%が「大学入試の英語の4技能測定に対応した指導やテスト問題の研究」にすでに取り組んでいることがわかった。

 こうした新たな教育方法や教育内容への対応が求められるなか、教員の退勤時刻は小・中・高校とも遅くなっており、学校にいる時間はさらに長時間化。10年比で学校にいる時間は小学校で25分増、中学校で27分増、高校17分増となっている。

 今回の調査から、授業方法に対する意識の変化は、生徒どうしの学び合いだけに意識が高まっている傾向がみられ、次期学習指導要領にいう「主体的・対話的で深い学び」に資する授業方法とはどうあるべきか、2020年からの実施に向けて更なる検討と具体的な内容を示していく必要を感じさせる結果となった。

 この調査は、小学校は1998年、中学校は1997年からの約20年間、高校は2010年からの6年間、調査が実施され、経年比較と学校段階間の比較が可能なことが大きな特徴。また、前回の調査を実施した2010年以降、現行指導要領が全面実施され、高大接続改革・大学入試改革の議論がスタート。さらに次期学習指導要領の審議の中で育成すべき資質能力の明確化と授業方法の転換の必要性が示されるなど、新たな教育施策が次々打ち出されてきた中での教員の意識の変化をみることができる。

出典:【株式会社ベネッセホールディングス】転換期にある学校現場の変化をとらえる 「第6回学習指導基本調査」(小・中・高校教員対象)グループ学習を意識する教員が10年比で増加。高校にも変化の兆し。(PDF)

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大学ジャーナルオンライン編集部

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