日本学術会議は、東京都内で幹事会を開き、軍事研究をしないとする新声明を決めた。過去2回にわたって出してきた声明を継承する内容。防衛省は2015年から装備品開発を目的に研究者へ資金提供する新制度を始めているが、日本学術会議の新声明が大学の研究参加に影響を与えそうだ。

 日本学術会議によると、新声明は軍事研究について「政府による研究者の活動への介入が強まる懸念がある」と指摘した。大学などに対して軍事研究と見なされる可能性がある場合、技術的、倫理的に審査する制度を設けるよう求めるとともに、研究の適切性について今後も議論を続ける決意を示している。

 日本学術会議は1950年に戦争を目的とする科学研究を絶対に行わないとの声明、1967年に軍事目的のための科学研究を行わないとする声明を発表している。
しかし、防衛省が2015年から軍事研究への助成制度をスタートさせ、助成制度応募の可否をめぐって大学内で混乱が見られたことから、2016年から検討委員会を設置して声明を見直すかどうかの対応検討に入った。

 2月には東京都内で安全保障と学術の関係に関するシンポジウムを開き、軍事研究をしないとする過去の声明の取り扱いについて意見交換したが、その際にも軍事研究に反対する声が続出した。これを受け、検討委員会(委員長・杉田敦法政大学教授)が過去の声明の基本方針を継承するとした新声明案をまとめていた。

 日本学術会議は当初、4月の総会で新声明を決定する方針だったが、通常の手続きである幹事会で早期に判断するのが望ましいとの意見が強く、総会には新声明決定を報告することにした。

参考:【日本学術会議】軍事的安全保障研究に関する声明(PDF)

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大学ジャーナルオンライン編集部

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