蚊の飛行方法は非常に特殊である。同程度のサイズの昆虫、例えばショウジョウバエが1秒間に約200回の羽ばたきを行うのに対し、蚊は600~800回と高速な羽ばたき運動を行う。この高速運動を達成するため、翅(はね)が細長く、羽ばたきの振幅が約40度と非常に小さいのも特徴的な点だ。これまで最小とされてきたミツバチの約90度と比べるべくもない。

 千葉大学の中田敏是博士らの研究グループは、この蚊の羽ばたき運動が“後縁渦”と“回転抗力”という二つの空気力発生メカニズムを利用していることを解明した。

 昆虫は、羽ばたき運動で翅の前側に“前縁渦”と呼ばれる渦を生成して飛行していることが知られている。この研究では、蚊が前縁渦に加えて翅の後ろ側にも渦(後縁渦)を生成していることを発見。さらに、前縁渦によって空気力を発生した後、次の羽ばたき運動に備えて翅を高速に長手方向周りに回転させることで、回転抗力を発生させていることがわかった。

 なぜ蚊が大きなパワーを消費しながらこのような特殊なメカニズムで飛行しているかは不明だが、羽ばたき音による特殊なコミュニケーションなど、他の機能を進化させるためではないかと論文では言及されている。

論文情報:【Nature】Smart wing rotation and trailing-edge vortices enable high frequency mosquito flight.

千葉大学

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大学ジャーナルオンライン編集部

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