近畿大学生物理工学部の宮本圭講師、京都大学大学院農学研究科の山田雅保准教授、ケンブリッジ大学ガードン研究所のジョン・ガードン教授らの研究グループは、クローン動物の発生率を劇的に改善する新手法を発見した。この方法を用いると、簡易に、安定して生体の細胞からクローンマウスを作出することが可能となる。

 これまで、体細胞クローン技術は、発生率(クローン効率)が1%未満であり、実用化が難しい状況だった。同グループは、3種類の化合物(トリコスタチンA、ビタミンC、脱イオン化ウシ血清アルブミン)を培養培地に特定の期間、特定の組み合わせ、順番で添加するだけで、成体細胞が安定的に初期化され(受精卵の状態に戻ること)、クローンの発生率が約15%も向上することを発見した。実験回によっては、最大で25%もの発生を観察した。

 この安定的な初期化は、培養条件の変更だけで達成できる。すなわち、全ての動物に適応できる簡易な方法であり、非常に高効率に体細胞クローン動物を作出することが可能となったといえる。
 本研究成果において、体細胞クローン技術を実用可能なレベルまで効率化できたことにより、この技術が、絶滅危惧動物の保全や遺伝子組換え細胞を用いた医療モデル動物の効率的な生産などに活用されることが期待される。

論文情報:【Biology Open】Reprogramming towards totipotency is greatly facilitated by synergistic effects of small molecules

京都大学

「自重自敬」の精神に基づき自由な学風を育み、創造的な学問の世界を切り開く。

自学自習をモットーに、常識にとらわれない自由の学風を守り続け、創造力と実践力を兼ね備えた人材を育てます。 学生自身が価値のある試行錯誤を経て、確かな未来を選択できるよう、多様性と階層性のある、様々な選択肢を許容するような、包容力の持った学習の場を提供します。[…]

この記事が気に入ったらおねがいします。

大学ジャーナルオンライン編集部

大学ジャーナルオンライン編集部

大学ジャーナルオンライン編集部です。
大学や教育に対する知見・関心の高い編集スタッフにより記事執筆しています。