千葉大学大学院工学研究科の矢貝史樹准教授を中心とした研究チームは5月8日、光を当てることで「らせん構造」がほどける人工のナノ線維の開発に成功したと発表した。

 線維状ナノ構造体である微小線維は、細胞内に存在し細胞形状の維持、形の制御、さらには細胞内での物質移動を担っている。これらはらせん状に結合することで形成される。このような精緻な構造を持つ線維状の微小材料を人工分子で構築することは、世界中で活発に研究されている。人工の材料を使い様々な機能を持った分子をユニットとして用いることで、生体系にはない独自の機能を実現することができるからである。

 研究チームは、光でらせん構造がほどける太さは10nmの人工のナノ線維の開発に成功した。線維の見かけの長さ(末端から末端までの直線距離)は2μm程度から10μmまで大きく変化することもわかった。

 今後は、らせん構造内に内包された薬剤などを患部へ任意のタイミングで放出するドラッグデリバリーシステムやコンパクトに折りたたまれたらせん構造から網目のような線維ネットワークを一気に広げて物質を捕捉するナノシステムなど、生体機能を高度なレベルで模倣したスマートナノマテリアルへの発展が期待できるとしている。

論文情報:【Nature Communications】Light-induced unfolding and refolding of supramolecular polymer nanofibres

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大学ジャーナルオンライン編集部

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