大阪市が持つ生活保護受給者のデータを大阪市と大阪市立大学が共同分析したところ、住民登録から受給開始までの期間が6カ月未満と短かったケースが2015年度で男性19.8%、女性10.6%に上ることが分かった。生活困窮者が他の地域から大阪市へ流入し、生活保護を受けている実態が浮き彫りになったとみられる。

 大阪市立大学によると、大阪市へ流入して6カ月未満で生活保護を受給したケースは、34歳以下の男性で26.4%、45~54歳で21.7%。これに対し、女性は15~16%しかなく、男女で大きな差が見られた。

 世帯別で多いのは男性の単身で26.6%。単身傷病者24.1%、単身高齢者16.8%、単身障害者15.6%といずれも高率だったのに対し、一般世帯は5%を切り、女性の母子家庭も10%にとどまっている。生活困窮者の流入は男性の単身者に多いことがあらためて示されたわけで、大阪市が全国から単身男性の生活困窮者を受け入れているともいえる。
行政区別でみると、男性の場合は最大の区で33.2%に達したのに対し、女性は最大の区で18.6%、5%に満たない区も複数存在した。

 生活保護の継続率は男性で10年間が20%前後、5年間が40%前後。この傾向は住民登録から受給開始までの期間が6カ月以上のケースと大きな変化がなかった。就労による生活保護からの離脱はかなり少ないが、死亡や失踪による離脱は多い。

 大阪市は生活保護受給者数が3月現在で全国最多の14万4,000人。大阪市は受給者の特徴を解析して福祉制度の改善や適正な支給につなげようと、データを大阪市立大学に提供し、共同で分析した。市が保有する行政データを活用して分析する試みは国内で初めて。

参考:【大阪市】報道発表資料 地域福祉等の向上のための有効性実証検証に関する連携協定における生活保護データの分析結果を発表します

大阪市立大学

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大学ジャーナルオンライン編集部

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