大学の東京一極集中抑制問題で、全国知事会が東京23区にある大学の定員増を抑制する立法措置を政府に求める決議を採択した。しかし、小池百合子東京都知事らが過度の規制に反対し、決議文の内容を一部柔らかい表現に修正するなど内容が後退している。知事会の足並みの乱れは規制の具体化に影響する可能性もある。

 全国知事会によると、決議は岩手県盛岡市で開かれた全国知事会議で採択された。しかし、議論の中で川勝平太静岡県知事らが学ぶ機会の制限に疑問の声を上げ、小池都知事と米山隆一新潟県知事は定員増の抑制にも反対した。会議の初日は意見がまとまらず、決議を先送りした。
2日目の審議では、決議案の文言から「定員増は認めない」とする部分を「抑制する」と修正したうえ、「学部・学科の新増設を抑制する」という個所を削除、小池、米山両知事の意見を明記する形で決議を採択した。

 東京23区の大学新増設抑制は全国知事会の要請を受け、政府の有識者会議で抑制の方向を打ち出した。政府も6月、この方針を閣議決定、新法制定を視野に入れて法規制のあり方を検討している。
これを受け、文部科学省は2018年度からの入学定員増を申請していた明治大学、昭和女子大学など23区内の私立大12校に対し、見直しを要請したが、応じた大学は1校もなかった。
2018年から18歳人口が再び急減に向かうのに備え、大学の生き残りをかけて都心へキャンパスを移しているためで、私立大学だけをやり玉に挙げる政府の方針に強い不満の声がある。そんな中、抑制策を発案した知事会の足並みの乱れは、今後の法規制進展に大きな影響を与えそうだ。

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大学ジャーナルオンライン編集部

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