芝浦工業大学建築学部建築学科の岡野道子特任准教授と山代悟特任教授が、2017年7月3日、熊本県上益城郡の「甲佐町住まいの復興拠点施設整備設計」に係る設計者選定の公募型プロポーザルで最優秀者に選ばれ、熊本県甲佐町の災害公営住宅や子育て支援住宅などの環境デザインを行うことが決定した。

 「甲佐町住まいの復興拠点施設整備設計」事業は、2016年4月14日に発生した熊本地震で甚大な被害を受けた甲佐町が、町民が一刻も早く安全・安心に暮らすことができる環境づくりを第一優先課題と捉え、約12,800平方メートル敷地面積に、災害公営住宅(30戸)、子育て支援住宅(20戸)、都市防災公園(3,000平方メートル)を整備する。

 採用された芝浦工業大学の提案のポイントは、「自然と建築が一体となった熊本型の災害公営住宅」と「環境に呼応するまちの軸をつくり多世代間の交流の場の創出」の2点。一年を通じ豊かな日照と穏やかな卓越風に包まれる甲佐町の環境を活かすため、南南東の風の流れに沿った遊歩道や、住戸には西風を効果的に取り込む「ウィンドキャッチャー」となる壁を設けたほか、半屋外的な土間や住戸間に設置する「小さな憩いの場」など内外一体的な設計によって住民同士の自然な交流を促進させる設計となっている。

 また、特徴的な風の流れに沿ったメインの遊歩道が、集会施設、都市防災公園といった交流の場をつなぎ、公園を囲むように災害公営住宅と子育て支援住宅を配置することで、多世代が普段から集会施設や公園に立ち寄りやすい環境を作り、復興地では、各住戸に引きこもって孤立しやすくなるため、“みんなでつくる”“みんながつかう”交流拠点となるように設計した。芝浦工業大学が行ったこれらの提案は、甲佐町の環境をデザインすることを大きなテーマに構成されている点などが評価され、応募総数24件の中から採択された。

 今後、災害公営住宅は2018年8月、子育て支援住宅は2019年10月の竣工予定。竣工後は、甲佐町の災害公営住宅および子育て支援住宅において、植樹やベンチ作りなどのイベント・ワークショップの開催を通じて、地域に根付いた拠点となることを目指していく。

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大学ジャーナルオンライン編集部

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