東北大学大学院医学系研究科の下川宏明教授の研究グループが過去20年間に世界の主要科学雑誌に掲載された学術論文を検討したところ、日本の医学研究が基礎、臨床の両面で減少の一途をたどっていることが分かった。少子高齢化や長引く不況、若手研究者の減少などが原因とみられ、研究グループは現状打開が急務としている。

東北大学によると、下川教授らが米国心臓病学会発行のサーキュレーション・リサーチなど主要学術3誌に掲載された日本発の論文数はこの16年間で4分の1に減少した。特にサーキュレーション・リサーチ誌上の国、地域別論文数は、2000年の世界2位から11位に転落、循環器基礎医学研究領域での日本の失速ぶりが際立っている。

さらに、日本の失速は臨床医学研究領域の主要学術3誌でも明らかになったほか、かつて日本のお家芸とされた工学系の学術論文も、この20年間で他国の進歩から大きく後れを取っていることが分かった。

研究グループは日本の研究が立ち遅れた原因として、
■国立大学の独立法人化で政府予算が削減され、研究費が減少した
■少子高齢化による社会保障費の増加や相次ぐ災害、不況の長期化で研究開発への投資が削減されてきた
■若手の医学研究者が減少した
-などを挙げている。

政府は2015年に日本医療研究開発機構を設立、医療分野の研究開発への助成を強化する方向を打ち出しているが、日本の独り負け状態を打開するためには、これまで以上の努力が必要と研究グループはみている。

論文情報:【Circulation Research】Shrinking Basic Cardiovascular Research in JapanThe Tip of the Iceberg

東北大学

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大学ジャーナルオンライン編集部

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