医薬品、化粧品、香料、酒類などの業界では、任意の匂いがどの嗅覚受容体群を活性化するかを明らかにする需要が高まってきている。これを受け、大阪大学産業科学研究所の黒田俊一教授らの研究グループと、同大学発のベンチャー、株式会社香味発酵は共同で、産業上有用な匂いを数値化してデータベースを構築し、新しい匂いをデザインする事業を開始した。

 黒田教授らの研究グループは、スライドグラス上に展開した約40万個の細胞の中から最も特徴のある細胞を1細胞だけ、全自動で無傷な条件で釣り上げる全自動1細胞解析単離装置を独自に開発。さらにその装置を駆使し、特定の匂い分子に反応して活性化する嗅覚受容体群※を網羅的に単離する方法を2016年に開発している。
この方法を使い、ニーズに即した匂いのデータベース構築を進めており、蓄積したデータを活用してヒトの匂いの感じ方に基づく匂いの要素分解及び再構成を行う。

 これにより、調香師の経験に依らず高価な香りを安価な成分で迅速に代替する、嫌な匂い(加齢臭等)を積極的に感じなくする物質を迅速に見つける、生殖活動を高める匂いの解析と原理の理解、といった社会的な貢献ができるとしている。

※嗅覚受容体とは、哺乳類の鼻腔上部にある嗅上皮に存在する嗅神経細胞に発現する香り受容体のこと

大阪大学

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大学ジャーナルオンライン編集部

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