東北大学(大関真之准教授)は、カナダのD-Wave Systems社と提携して、日本の国立大学、研究機関として初めて量子コンピュータを利用した研究開発を開始した。

 D-Wave Systems社のコンピュータ「D-Wave 2000Q」は、新方式「量子アニーリング」を世界で初めて採用した量子コンピュータで、すでに商用販売を行っている。「量子アニーリング」方式は東京工業大学の西森秀稔教授と門脇正史氏が1998年に提案したもの。原子や分子などの動きを決める量子力学による動作原理を利用し、量子力学特有の現象である「重ね合わせ」の状態を用いて最善の選択を見つけ出す手法だ。

 D-Waveマシンが得意とする分野は、多くの候補から最大の利益、最高の効率を発揮するような選択をする「最適化問題」、多くの可能性を瞬時に試し打ちをした結果を出力するサンプリング技術による「機械学習」だ。例えば配送経路の最適化、ポートフォリオの最適化、スケジュール管理の最適化など、サービスの効率化に関するあらゆる問題について高速で解法を見つけ出せる。

 東北大学は、各種産業で潜在的に利用されている最適化問題の高速解法によるサービスの効率化、新規サービスの開拓などを企業とともに連携しながら取り組み、研究活動において蓄積されたノウハウを公開して、量子アニーリング技術の普及を進めるとしている。

 現在、D-Wave利用者用のシステムはアメリカに設置され、Lockheed Martin社、Google社、NASA Ames研究所、Los Alamos研究所などが利用している。近年、日本でも関心が高まり、今年夏には量子アニーリングの国際会議を開催。株式会社リクルートコミュニケーションズや自動車関連企業などによるD-Waveシステムのクラウド利用など利用者・企業が増えている。

東北大学

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大学ジャーナルオンライン編集部

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