信州大学の加藤正人教授(山岳科学研究所森林資源研究部門)は、JAXA(宇宙航空研究開発機構)から、先進光学衛星センサーを利用した林業分野での研究を受託した。林業分野で人工衛星を使った実証事例はほとんどなく、安価な国産人工衛星による調査が本格化すれば、経費は圧縮され、全国の自治体で活用される先行事例となる。

 平成32年度に打ち上げ予定の地球観測衛星は、大型・高性能のセンサーを搭載。全地球規模の陸域を継続的に観測し、防災・災害対策や環境保全などへの利用・研究に活用される。この観測バンドを用いて、加藤教授が開発した技術により、樹種の分類や松くい虫被害の区分についての有用性の評価を、長野県・松本市・伊那市・北信州森林組合と連携して行う。

 長野県は近年、松くい虫の被害が爆発的に増え、人海戦術での目視による被害状況の把握は調査漏れが多いのが現状。松本市及び伊那市は、被害の最前線にある感染木を伐採して松枯れの広がりを抑えるために、人工衛星での単木ごとの精密な被害区分に期待している。松くい虫の被害前と被害後の衛星データを比較し、健全木・感染木・枯死木の区分を行う。

センサーは森林の広葉樹や針葉樹の構成などを把握し、スギやヒノキ、カラマツの森林資源の活用につなげるのにも有効であり、北信州森林組合(中野市)で実施する。衛星画像の解析から単木ごとの樹冠を抽出し、樹種分類や本数・樹高・胸高直径・材積などの森林情報を解析する。

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大学ジャーナルオンライン編集部

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