9月2日、東北大学は、リチウムイオン電池の6倍以上の電気容量をもち、100回以上繰り返し使用が可能な「リチウム空気電池」を開発したと発表しました。今後さらに改善を重ね、一回の充電で500kmの走行が可能な電気自動車の実用化が期待されます。

現在の電気自動車に使われているリチウムイオン電池の電気容量では一回の充電で200km程度しか走行できず、走行距離を伸ばすために新しいタイプの大容量の蓄電池の開発が望まれています。近年注目されている新しい二次電池として「リチウム空気電池」があります。この電池はリチウムイオン電池とは異なり、正極にコバルト系やマンガン系の化合物を用いることなく、リチウム金属と電解液、空気だけで作動し、リチウムイオン電池の5~8倍の容量を実現できるとされています。しかしリチウム空気電池は充放電両方の化学反応に対応した電極材料や触媒が開発途上にあり、国内外でさまざまな金属や炭素系の材料を用いた開発競争が進行中です。

今回、同大学原子分子材料科学高等研究機構(AIMR)の陳明偉教授らは、ナノ多孔質グラフェンと少量のルテニウム系触媒を用いることにより、エネルギー利用効率の高いリチウム空気電池の開発に成功しました。現時点では少量の貴金属を触媒に使用することや充電時の過電圧が大きいなどの課題がありますが、同成果はリチウム空気電池の実用化への重要な一歩となるものといえます。さらに高性能でコストの低い触媒を開発し、大きな電気容量と低い過電圧を同時に実現できるリチウム空気電池の開発が期待されており、今後は企業と連携しながら実用化を目指すとしています。

同研究成果は、9月1日(ドイツ時間)に「Advanced Materials」でオンライン公開されています。

出典:【東北大学】大容量の蓄電が可能な「リチウム空気電池」用電極材料の開発~ナノ多孔質グラフェンとルテニウム系触媒が鍵~

東北大学
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大学ジャーナルオンライン編集部

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