8月17日、東北大学は、太っていくにつれて中性脂肪が高くなるメカニズムを解明したと発表しました。過食などの生活習慣にもとづく肥満は、脂質代謝異常(血中中性脂肪上昇)・糖尿病・高血圧といった三大病態を併発しやすく、まとめてメタボリックシンドロームという一つの症候群と考えられています。メタボリックシンドロームは、動脈硬化発症につながることから、その患者数の急増と相まって、医学的にも社会的にも大きな問題となっています。

肥満状況においては、血中の中性脂肪が高値を示すとともに、肝臓でのアミノ酸量が増えていることが知られていました。同大学大学院医学系研究科糖尿病代謝内科学分野/同大学病院糖尿病代謝科片桐秀樹教授、宇野健司助教らのグループは、このアミノ酸量の増加に着目し、肥満させずに肝臓へのアミノ酸流入だけを増加させたマウスを用い、全身の代謝にどのような変化が生じるかを検討したところ、肥満の時と同じように血中の中性脂肪が高値となりました。そのメカニズムとして、肝臓でのアミノ酸量の増加が自律神経を通じて脳に伝わり、脳から神経を通じて血中の中性脂肪の分解を抑える指令が発せられるというシステムを発見しました。この発見は肝臓が“栄養センサー”として働き、脳を含めた神経系が全身における脂肪代謝のダイナミックな調節を行なっていることを明らかにしたものです。動脈硬化の発症と深く関連する血中中性脂肪上昇のメカニズムが解明されたことにより、新たな治療法や予防法の開発につながることが期待されます。

なお同研究成果は、8月13日付(日本時間)の国際専門誌Nature Communicationsに掲載されています。

出典:【東北大学】「太っていくにつれて中性脂肪が上がる」メカニズムを解明~肝臓からの神経シグナルでメタボリックシンドローム発症~

東北大学

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大学ジャーナルオンライン編集部

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