ベネッセ教育総合研究所では、2015年の3月と5月に、大学(短期、4年制、6年制)卒業の学歴を持つ19,833名対象の「大学時代の学びと成長」に関する調査を実施し、その結果を公開しました。

 大学で様々な制度・組織改革が行われた1990年代以降。同調査は、これらの改革によって、大学教育がどのような学習成果をもたらし、卒業後の人生に貢献できているかを調査し、今後の大学教育の在り方を検討するために実施されました。調査対象は、大学教育を受けた時期が改革が本格化する前の層(40~55歳)と後の層(23~34歳)の2つに分け、世代間で比較することで、改革による変化を明らかにしました。

調査結果によると、「大学時代の成長実感」を持っているのは、23~34 歳で約 80%、40~55 歳で約70%。 少人数で学ぶ、自分の考えを徹底して深めるなど「主体的な学び」の機会が「あった」と回答した比率は、23~34 歳は、40~55歳より約 8~17 ポイント高く、また、「主体的な学び」が多くあったと答える人の93.2%が「大学時代に成長を実感した」と回答しました。

さらに、「大学教育に対しての現在の考え」について、2012年に大学生(4,911名)に行った結果と合わせて比較すると、「学生が自分で調べて発表する演習形式の授業が多いほうがよい」は、在学生16.7%、卒業生(23~34 歳)42.8%、卒業生(40~55 歳)54.2%で、在学中に主体的学びの重要性に気づく学生は少なく、卒業後、時間が経つほどその重要性を痛感するという結果がでました。このことから、学生のうちに大学での「学びの価値」を知ることが課題として見えてきました。

※「大学での学びと成長に関するふりかえり調査」の詳しい結果は、ベネッセ教育総合研究所のHPで公開されています。

出典:【ベネッセ教育総合研究所】大学での学びと成長に関するふりかえり調査

大学ジャーナルオンライン編集部

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