新潟大学脳研究所統合脳機能研究センターの伊藤浩介助教らの研究グループは、音や音楽を聞くと色を感じる脳の現象“共感覚”で、音に感じる色の共通パターンとして、ドレミファソラシの七つの音と虹の七色が順序良く対応するという隠れた法則を明らかにした。

 “共感覚”とは、音や音楽を聞くと色を感じる脳の現象のこと。ハンガリー出身のピアニスト・作曲家フランツ・リストや、ロシアの作曲家リムスキー=コルサコフ、フィンランドの作曲家ジャン・シベリウス、アメリカ出身のギタリストエドワード・ヴァン・ヘイレン、日本人の指揮者佐渡裕など、音楽家の中にはこの“共感覚”を持つ人が比較的多くみられる。

 とはいえ、ニ長調などの調性の色については、リストとリムスキー=コルサコフの意見が食い違ったように、色の感覚には個人差が大きく、音と色の対応には一定の法則はないと思われてきた。

 しかし、これまでの研究は、少数の共感覚者を対象としたものが散発的にあるのみで、十分な検討はされてこなかった。そこで、今回15名という多数の共感覚者を集めて詳しく調べた結果、共感覚者に音に感じる色を自由に選んでもらうと、個人差はあったものの、選ばれた色の平均値を計算して背後に共通するパターンを探ると、ドは赤、レは黄、ミは緑、ソは青、シは紫などドレミファソラシの七つの音と虹の七色が順序良く対応する隠れた法則が明らかになった。

 さらに、心理学実験で詳しく調べると、色は音そのものではなく、音の名前(階名)と結びついていることもわかったが、なぜこのような結びつきが生じるのかその原因までは不明。「レはレモンのレ」や「ソは青い空」など、誰もが知っている「ドレミの歌」が原因とも考えられるが、その場合は、ドの赤やシの紫など、説明できない部分も残るという。

 この現象の究明は、我々の脳が、何故音楽に心を動かされるのか、どのように心を動かされるのかという未解明の問題を解くヒントになるのではと期待が寄せられている。

論文情報:【Scientific Reports】 Musical pitch classes have rainbow hues in pitch class-color synesthesia

新潟大学

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大学ジャーナルオンライン編集部

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