産業技術総合研究所(産総研)、再生可能エネルギー研究センター、東北大学の共同研究グループはアンモニアを燃料とするガスタービンを使った発電に成功しました。アンモニアは水素含有率の高い物質であり、発電用燃料として利用できるのではないかと注目されていました。
2015年は「水素元年」とも呼ばれ、水素エネルギーを利用する社会への転換が加速する年として期待されています。水素社会の実現には安定した生産と安全な貯蔵が不可欠です。しかし水素ガスは大量のエネルギーを含んでいるため爆発しやすく、そのまま貯蔵するにはリスクが高い物質です。そこでより安全で自由に水素を取り出すことができる物質が求められていますが、3個の水素原子と1個の窒素原子から成るアンモニアがその候補として注目されています。

今回の研究ではまず従来の火力発電の燃料であるメタンガスとアンモニアを2:5の割合で混合しても安定して発電できることを示しました。さらにアンモニアのみでも燃焼効率が悪いものの発電は可能であることが分かりました。これらの試験結果は、従来の火力発電所において段階的にメタンなどの天然ガスからアンモニアに置き換えていく事が可能であることを意味しています。さらに、アンモニアの燃焼では温室効果ガスを出さないこと、新たに生じる汚染物質も既存の技術で取り除くことができるといった点から排ガスがクリーンになるというメリットもあります。

アンモニアのみでの発電にはまだ課題が残る結果となりましたが、今後はアンモニアのみを用いた効率のよい発電方法の実現を目指していくとしています。中学校の理科の実験でアンモニアは臭いというイメージを持っている人が多いかもしれませんが、エネルギー問題に立ち向かう可能性の一つとして活躍しています。

出典:【産業技術総合研究所】メタン-アンモニア混合ガスと100 %アンモニアのそれぞれでガスタービン発電に成功

東北大学

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