2017年6月、京都大学で宇宙天気と惑星ハビタブルゾーンに関する国際シンポジウムが行われ、総合生存学館(思修館)の山敷庸亮教授らが開発・運営する太陽系外惑星データベース「ExoKyoto」に基づく最新の研究成果が発表された。

 2016年にWeb上に公開が始まったExoKyotoは、山敷教授らが蓄積してきた恒星観測の情報や結果をもとに、新たなハビタブル・ゾーン(生命が居住可能な領域)の計算方法や複数の定義が比較できる世界初の公開プラットフォーム。すでに発見された3,500個以上の系外惑星に加え、120,000個以上の恒星データベースを取り込んでおり、そのすべての恒星に対してハビタブル・ゾーンの計算が可能とされる。

 このExoKyotoデータベース構築に協力したのが、滋賀県立守山高等学校だ。同校はグローバル・リーダー育成の拠点校(スーパーグローバルハイスクール)として文部科学省より指定されており、その取り組みの1つとして「ハビタブル研究会」が設置された。当初のメンバーが美術部員であったことから、山敷教授の依頼により太陽系外惑星の想像図を描くことになった。この惑星画は山敷教授によってNASAでも発表され好評を得た。

 山敷教授の専門は環境工学でExoKyotoのデータベースは趣味から出発したという。2017年12月には系外惑星の観測と探求の重要な取り組みとして、NASA Goddard スペースフライトセンター主任研究員アイラペディアン博士らと協議し、恒星フレア影響評価モジュールの改良について協力するまでとなっている。今後、未知の太陽系外惑星発見への貢献、さらに専門家やアマチュア天文家にとっての系外惑星観測の有用なツールになることが期待される。

参考:【Extrasolar Planet`s Catalogue produced by Kyoto University】EXOKyoto

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