横浜市立大学は、2018年1月15日付で、現・医学部臓器再生医学准教授 武部貴則さんを、先端医科学研究センター担当教授に任命。横浜市立大学の現役の教授において、最年少の教授が誕生した。

 武部さんは、1986年生まれの31歳。2011年に横浜市立大学医学部卒業後、2013年に横浜市立大学臓器再生医学准教授、2017年にシンシナティ小児病院幹細胞・オルガノイド医学センター副センター長を務めてきた。2013年には、iPS細胞から世界で初めて血管構造を持つヒト肝臓原基(肝芽)を創り出すことに成功。2014年には肝芽の最適な培養方法・移植手法を発見し、2015年には様々なミニ臓器を創り出す手法を確立。2017年には、「ミニ肝臓」の大量製造に成功した。

 これらの成果は、Natureをはじめとする国際主要論文に掲載されたほか、日本の近代医学の発展に大きな功績を残したドイツ人医師ベルツ博士の名を冠した「ベルツ賞」(2014年度)、「文部科学大臣表彰若手科学賞」(2016年度)、「日本医療研究開発対象 AMED 理事長賞」(2017年度)など数々の賞を受賞。最近は、IT大手系列会社とiPS細胞を活用した「非アルコール性脂肪肝疾患」治療の共同研究を進めていくことも決定した。

 また、再生医学における最先端の研究を進める一方で、「広告医学※」という新しい学問領域を普及させることにも注力。駅や建物での「健康階段」、メタボ基準値を境に色が変わる仕掛けのある「アラートパンツ」等は、横浜市の健康施策にも活用され、横浜市民の新たな健康づくりとして注目を集めている。

 横浜市立大学では、こうした武部氏の功績を高く評価し、さらなる研究の発展を後押しするため、教授として登用。大学の強みである再生医学をはじめ、より幅広い分野での研究の展開に期待を寄せている。

※「広告医学」とは、デザインやコピーライティングなどの広告的視点を医療現場におけるコミュニケーションツールとして活用し、人々の健康行動の自然な動機づけに繋げようというもの。

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開国・開港の地、横浜にふさわしく、開放的で国際性、進取性に富む学風は、横浜市立大学の伝統として今も受け継がれ、実践力のある数多くの優れた人材を輩出しています。豊かな教養、人間性、倫理観を養う人間教育の場とし、先端研究の成果と高度医療を発信する「横浜から世界へ羽[…]

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