北海道大学の調和系工学研究室とセコムグループの株式会社TMJは、2017年9月から共同で、シフト調整を自動化するアルゴリズムの開発を進めている。将来的にTMJの運用するAIを活用したチャットシステムと連携したシフト調整業務の自動化に向け、アルゴリズムを検証。トライアルでその効果が実証され、2018年度中の実用化を目指している。

 現在、サービス業や外食産業など労働集約型産業では、人材不足が深刻化し、急な欠勤発生時のシフト調整業務は大きな負担となっている。そこで、シフト調整業務の負担を軽減するアルゴリズムを、情報科学を研究している北海道大学の調和系工学研究室と共同開発した。

 今回開発したアルゴリズムは、突発的な欠員に対し何人に声がけをすればよいのか対象者のリストを抽出、いつどのタイミングで声かけするかを判断し、最適化する。これまでのシフト調整では、個々の担当者の「経験と勘」に依存、調整のノウハウがたまっていかないため属人化していたが、このアルゴリズムにより、代替者選出にかかる工数を削減、生産性と応諾率の向上を図る。

 また、アルゴリズムを学習したAIとチャットシステムを連携させ、自動で出勤調整の可否を確認するメッセージを発信。返答があったスタッフに対して、有人チャットで最終調整する。シフト調整のチャネルは、電話からLINEを利用することで、対象者へのコンタクトを効率化し、業務負担を軽減させ、電話を掛ける・受ける心理的負担を解消させる。

 今回のトライアル検証結果を基にした効果シュミレーションをみると、対象者リスト100人の場合、コンタクト数は電話50人に対し、チャット75人でコンタクトの効率化による交渉機会が増大。仕事を引き受ける応諾数は、電話7.5人に対し、チャット9.1人で最適な対象者選定による応諾率も向上。さらに、1応諾あたりの工数(時間)は、電話の42.3分に対し、チャットは10.3分で、工数が削減し、生産性が向上した。

 現在北海道大学と連携をしながら、チャット回答の結果を基にした学習を継続しながらアルゴリズムの精度向上を図り、課題の検証と対応を継続し、2018年度中の実用化を目指している。

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大学ジャーナルオンライン編集部

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