東京大学人工物工学研究センタ-とANAホ-ルディングス傘下の株式会社ANA総合研究所は、2018年3月11日、2015年5月から取り組んできた『おもてなし』の科学的理解に向けた共同研究の成果をサービス学会第6回国内大会で発表した。

 サービス学会は、2012年に設立。これまで個別的に取り組まれてきたサービスに関する広範な知識を体系化することで、様々な産業課題の解決に寄与し、サービスに関わる「社会のための学術」を構築することを目的としている。

 大会では、東京大学大学院工学系研究科精密工学専攻の立岡宏治さんが、「旅客心理に寄り添う客室乗務員の気づきのスキル習得を促進する学習教材」と題し、共同研究の成果を新人客室乗務員の接遇力向上をサポートする『訓練教材』として発表した。

 共同研究では、5年連続で英国のSKYTRAX(スカイトラックス)社※が運営するエアライン・スター・ランキングで最高評価を獲得しているANAの客室乗務員の接遇を、サ-ビス工学の研究手法を用いて科学的に分析し、『接客過程モデル』として図式化。客室乗務員は日常の乗務経験の中で接遇力を培っているが、この『接客過程モデル』に基づいた訓練教材を導入することで、より接遇力の高い客室乗務員の育成に寄与することが期待される。

 サービス工学とは、サービス学に関わる個別領域のひとつ。従来、勘や経験に頼りがちであったサービスに対して工学的な計測・分析・設計手法を導入。それにより、多様化する顧客ニーズへの適応や新しい価値の発見による満足度の高いサービスの創出、および従業員の負担軽減や能力向上などを支援できる。今後、ANA客室センターでは、研究成果である『訓練教材』を取り入れ、客室乗務員の訓練などに活用していく。

※SKYTRAX社:1989年創立、英国ロンドンに拠点を置く航空業界の格付け会社

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大学ジャーナルオンライン編集部

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