熊本大学、京都大学、大阪大学、名古屋大学が共同で世界最強のKUMADAIマグネシウム合金の形成機構を解明しました。過去にも当サイトで紹介したKUMADAIマグネシウム合金(熊本大 世界最強のマグネシウム合金ワイヤーを開発)についての続報です。

 環境に優しい社会を実現する上で軽量で頑丈な材料の開発は、乗り物の低燃費化などの観点から今後益々その重要性が増していきます。KUMADAIマグネシウム合金はマグネシウムと微量の亜鉛、イットリウムの合金で世界最強の強度を持つ次世代の超軽量高強度材料として航空機や生体材料などへの応用が期待されています。これを原子レベルで見ると複雑な原子の配列をしていることが分かっていますが、その構造がどのようにして形成されるのかは不明でした。

 金属中でどのようにして原子の配列が形成されるのかを解明する一番の方法は原子の動きを一コマ一コマ撮影していく事です。溶融した合金を急冷することで、原子が動いている途中の状態で固めることができます。さらに融点よりわずかに低い温度に加熱することで原子はゆっくりと動きます。少し動かしては固める操作を繰り返すことで、変化していく様子をコマ送りで観測することに成功しました。この1コマ1コマを高エネルギー加速器研究機構(KEK)の計測装置で測定しました。その結果、マグネシウムの中でイットリウムと亜鉛の原子が小さな塊を形成した後、その塊が綺麗に整列するという2段階の変化の様子を観察することに成功しました。

 頑丈な材料の形成機構が明らかになったことで、さらなる高機能化を目指した研究にもつながるでしょう。またこうした2段階で金属の状態が変化する例はこれまでに報告がありませんでした。これをさらに詳細に解析することで固体内で原子の並びが変化していく現象について新たな知見が見いだされることも期待できます。

大阪大学
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物事の本質を見極め、世界に羽ばたく。 「地域に生き世界に伸びる」ことをモットーに社会の課題に応える。

多様性を受け入れ、変化への柔軟性を発揮し、個性を貴ぶ気風。個々の優れた潜在力を活かし、「一人ひとりの真価」を「阪大の進化」に繋げていくことで大学の基盤を築いていきます。 「対話の促進」「自律性の堅持」の基本理念を特に重視し、キャンパス内で広く実行されていくこ[…]

京都大学
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「自重自敬」の精神に基づき自由な学風を育み、創造的な学問の世界を切り開く。

自学自習をモットーに、常識にとらわれない自由の学風を守り続け、創造力と実践力を兼ね備えた人材を育てます。 学生自身が価値のある試行錯誤を経て、確かな未来を選択できるよう、多様性と階層性のある、様々な選択肢を許容するような、包容力の持った学習の場を提供します。[…]

名古屋大学
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総合的かつ自主的な判断力を持つ豊かな人間性を有する人材の育成

基礎技術を「ものづくり」に結実させ、そのための仕組みや制度である「ことづくり」を構想し、数々の世界的な学術と産業を生む「ひとづくり」に努める風土と、既存の権威にとらわれない自由闊達な学風の上に、真の勇気と知性をもった未来を切り拓く人を育てます。[…]

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大学ジャーナルオンライン編集部

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