千葉大学と敬愛大学、千葉県柏市教育委員会、NPO法人企業教育研究会、匿名報告・相談アプリ「STOPit」の販売代理店「ストップイットジャパン」が、柏市の中学校に同アプリを導入したところ、電話や電子メールの9倍にも及ぶ相談が寄せられ、そのうちの約35%がいじめに関するものだったことが明らかになった。

 千葉大学によると、2017年度1年間に電話や電子メールで寄せられた相談が電話12件、電子メール3件の計15件だったのに対し、同アプリで寄せられた相談は133件に達した。

 同アプリを使った相談の内容は本人のいじめが全体の27.8%を占める37件、本人以外のいじめが8.3%を占める11件あった。いじめ以外では部活動に関する相談が10件、インターネットトラブルが8件、教員の指導に対する相談が16件、その他の相談が27件寄せられている。
柏市の中学校で認知されたいじめは646件あり、前年度の624件をわずかに上回っているが、相談や通報の多くが同アプリを利用していた格好だ。

 千葉大学などはいじめやネットいじめを傍観しないようにする教育プログラム「私たちの選択肢」を柏市の中学校20校すべてで全1年生を対象に実施するとともに、同アプリの使用方法を記載した用紙を生徒全員に配布していた。

 同アプリは米国のインスピリットグループが開発したもので、いじめを受けたり、目撃したりした人が匿名で学校の組織担当者らに報告、相談できる。米国のニュースチャンネルCNNから「世界を変えるために役立つアプリ5選」に選ばれている。

参考:【千葉大学】平成29年度産官学連携によるいじめ防止対策事業の実施結果報告(PDF)

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