政府の人生100年構想会議は首相官邸で第9回会合を開き、人づくり革命の柱となる大学など高等教育の無償化について、年収380万円未満の世帯を対象に授業料の減免や返済不要の給付型奨学金支給を進めることを決めた。

 会議に提出された人づくり革命基本構想案によると、年収270万円未満の住民税非課税世帯に対しては、国立大学の授業料を免除する。公立大学は国立大学の授業料を上限とし、私立大学は最大で年70万円程度減額。短期大学や高等専門学校などは大学に準じた額とする。

 さらに、給付型奨学金で学生が学業に専念できるよう必要な生活費を賄える措置を講じる。対象経費としては修学費、課外活動費、通学費、保健衛生費、通信費などを計上する。私立大学生には授業料以外の学校納付金、自宅外生には住居・光熱費、食費も加える。

 住民税非課税世帯に準じる年収270万~380万円未満の世帯に対しては、授業料減免、給付型奨学金を年収300万円未満の世帯で住民税非課税世帯の3分の2、300万~380万円未満の世帯で3分の1支給する。

 無償化の対象となる大学には、学生が卒業に必要な単位のうち、実務経験を持つ教員の授業が1割以上を占めるなどの条件を課す。

 この政府方針を受け、文部科学省の有識者会議は制度設計の報告書をまとめている。政府は2019年の通常国会に関連法案を提出、2020年度からの導入を目指す。

参考:【首相官邸】第9回人生100年時代構想会議議事次第

大学ジャーナルオンライン編集部

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