日本医療研究開発機構は、アフリカの顧みられない熱帯病対策として、長崎大学、北海道大学、東京慈恵会医科大学の国際共同研究プログラムを採択しました。安倍晋三首相が5月の国際会議で熱帯病対策の国際共同研究を新たにスタートすると約束したのを受け、2015年度に創設された事業で、3大学はアフリカ諸国の大学、研究機関と共同で迅速な診断法や媒介となる蚊対策の研究などを進めます。

日本医療研究開発機構によると、長崎大学の共同研究は、ケニアのケニア中央医学研究所がパートナー。金子聡教授を中心に熱帯病対策に利用できるネットワークを構築するとともに、多重感染症に対する一括、同時診断技術の開発を目指します。北海道大学は鈴木定彦教授を中心にし、ザンビアのザンビア大と力を合わせ、迅速な診断法の開発とリスク分析に基づいた対策モデルの創成を目標としています。東京慈恵会医科大学はブルキナファソのワガドゥク大学とともに、嘉糖洋陸教授らがデング熱を媒介する蚊対策について研究を進めます。
顧みられない熱帯病とは、世界保健機関(WHO)が制圧しなければならないとしたデング熱、住血吸虫症、狂犬病、ハンセン病、リンパ系フィラリア症など17の寄生虫、細菌、ウイルス感染症。アフリカをはじめとする熱帯地方や貧困層を中心に149の国と地域でまん延し、世界で数百人以上が生活を脅かされているといわれています。

3大感染症とされる結核、エイズ、マラリアに比べ、世界各国の関心が低く、十分な対策が取られてきませんでした。感染地域は都市スラムや紛争地など貧困層の多い地域が中心ですが、地球温暖化に伴って新しい地域での感染例も目立つようなり、国際的な対策が急がれています。
国際共同研究プログラムでは、日本とアフリカ諸国の大学、研究機関が手を携えて熱帯病の予防、診断、創薬、治療法を開発するとともに、共同研究を通じてアフリカの若い研究者の育成を図ることにしています。

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大学ジャーナルオンライン編集部

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