理化学研究所、大阪市立大学、熊本大学、兵庫教育大学、生理学研究所の研究グループは子供の慢性疲労(CCFS)では脳の活動が異常に活性化していることを突き止めました。この活動を緩和することがCCFSの症状緩和につながるかもしれません。

 慢性疲労症候群は20代から50代に多く、原因不明の疲労や倦怠感によって半年以上も正常な社会生活が送れなくなる病気です。子供では不登校の場合に多く見られ、3カ月以上継続する疲労や記憶・注意力の低下が学校生活への適応を妨げている可能性が指摘されています。現状では疲労と脳機能との関連を解明し、治療法を開発することが課題となっています。

 グループは子供に対して複数の作業を同時に行うテストを実施しながら、脳の血流を測定することで活動している部位を観察することを試みました。平仮名で書かれた物語を読み、母音を拾い上げながら内容を把握するテストです。その結果、CCFS児は健常児に比べて前頭葉など2か所が過剰に活性化していることが分かりました。さらにこの部位を詳細に調べたところ、疲労の度合いが高ければより活発に活動していることも明らかになりました。つまりCCFS児は理解度を高めるために神経活動を活性化させていること、その結果非効率な脳活動や精神的な負担につながっていることが考えられます。

CCFS児に対して血流の測定から脳活動を調べた研究は世界初であり、脳機能が低下するのではなく過剰に働いていることを明らかにできたことは大きな意味があります。こうしたことから、前頭葉の活動を抑制することでCCFSの症状を改善できる可能性が出てきました。今後は治療法の確立に向けて研究を続けていく予定です。

出典:【理化学研究所】小児慢性疲労症候群患児の脳活動状態を明らかに

大阪市立大学

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兵庫教育大学

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