文部科学省が6月、教員養成系、人文社会科学系学部、大学院の組織見直しを通知した問題で、静岡大、信州大など国立大17校の人文系学部長が通知に反対する声明を文科省に提出しました。声明は長野県松本市で開かれた17大学の人文系学部長会議でまとめたもので、文科省の見解に強く抗議するとともに、全国一律の改革ではなく、大学の特性に応じて柔軟に支援することを求めています。

声明では、人文社会科学系学部、大学院を対象に、組織の廃止や社会的要請の高い分野への転換を迫る文科省の対応を、大いに疑問が残ると批判。人文社会科学系の学問が社会の基盤形成に寄与するものであり、人文社会科学の軽視がわが国の人的基盤を根底から揺るがしかねないとしています。さらに、高等教育の機会均等の観点から地方国立大の意義が大きいとしたうえで、17大学の人文科学系学部長会議として文科省に強く抗議しました。
国立大学の将来については、各校がそれぞれの強みや特色、社会的な役割を踏まえ、今後のニーズと真剣に向き合って大学の個性に合わせて機能強化を図るのが当然と主張。文科省に対し、一律に改革を迫るのではなく、各大学の個性を尊重するよう要求しています。
文科省は6月、各国立大に「国立大学法人等の組織、業務全般の見直しについて」とする通知を発送、その中で教員養成系、人文社会科学系の学部、大学院に対し、18歳人口の減少や人材需要、教育研究水準の確保、国立大としての役割を踏まえて組織見直し計画を策定し、組織の廃止や社会的要請の高い分野への転換に取り組むことを求めました。
これに対し、日本学術会議や日本経済団体連合会、各大学などから反発や批判の声が相次いだため、9月になって先の通知を若干修正する内容の文書を文科省ホームページに掲載しました。しかし、組織の見直しや社会的要請の高い分野への転換という文言を外していませんでした。
出典:【静岡大学】国立大学法人17大学人文系学部長会議共同声明の提出について

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大学ジャーナルオンライン編集部

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