慶應義塾大学の浦野泰照教授、小林英司教授らの共同研究グループはホタルの発光を利用して、生きた動物の体内で発生する活性酸素を検出技術を世界で初めて開発しました。今後、活性酸素が生体内で果たす役割を解明したり、発生を抑える研究を進める上で重要な手掛かりになるでしょう。

 多くの生物は生命維持に必要なエネルギーを作るために酸素を消費します。その過程で活性酸素という他の物質との反応性が高い物質に変換されます。この量が多いと体の様々な部分と反応を起こしてしまいがん、生活習慣病、老化などの様々な病気の原因になると考えられています。ところが無色透明で発生してもすぐに消えてしまう活性酸素は簡単に観察することがでず、体内での作用の実態は良く分っていませんでした。

 ホタルはルシフェリンという物質を、酵素によって分解することで発光します。グループは過去の研究で、このメカニズムを制御することで活性酸素が存在す状況で強く発酵させる技術を開発しています。今回の研究ではこれをラットの遺伝子に組み込むことで、ラットの体内の活性酸素濃度が高い部位を発光させることに成功しました。このラットに活性酸素を作り出す薬剤を投与したところ、10分程度で強い発光を観察することもできました。

 生体内での活性酸素の発生の程度はまだ不明な点が多く、健康を考える上でも漠然と発生を抑えるのが良いという議論しかできないのが実状でした。この技術を使えば、病的状態における活性酸素の発生を観察することができると考えられます。新薬の開発や健康食品の効果の科学的裏付けに貢献できると期待されています。

出典:【慶應義塾大学】生きた動物の体内で発生する微量の活性酸素を検出することに世界で初めて成功

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大学ジャーナルオンライン編集部

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