東京大学や慶應義塾大学など国私立11大学が加入する学術研究懇談会は、基礎研究費の確保や研究支援策の充実を求める提言をまとめました。国内の大学を取り巻く環境が厳しさを増し、研究に必要な財政基盤が縮小しているとして国の支援強化を強く求めた内容で、このままでは将来のノーベル賞受賞が難しくなりかねないと訴えています。

学術研究懇談会によると、提言のタイトルは「自由な発想に基づく独創性豊かで多様な研究を継続的に支援することの重要性について」。提言では、今年のノーベル賞で北里大の大村智特別栄誉教授が医学生理学賞、東京大の梶田隆章教授が物理学賞を受賞するなど、2001年以降のノーベル賞自然科学分野で日本人の受賞が世界2位となっていることを挙げ、自由な発想に基づく独創的な研究が成果を上げたと指摘。今後もこうした研究を推進するためには、国の支援強化が欠かせないとしています。

具体的な研究支援策として挙げたのは、基盤的研究費としての国立大学運営費交付金や私学助成の確保、科学研究費補助金の充実、30%の間接経費交付の3点。国立大の運営費交付金は2015年度で1兆945億円。2004年度と比較して1,470億円、13.4%も減少しています。私学助成金も1980年度をピークに年々、減ってきています。こうした状況では独創的な基礎研究を下支えできないとし、運営費交付金と私学助成金のこれ以上の削減をしないよう強く求めました。

科学研究費補助金については、大学の優れた研究を支える中核的財源で、研究者にとっても使いやすいものと高く評価しました。しかし、2012年度以降、予算額の横ばい状態が続いていることから、予算額の拡充を要求しています。

学術文献の拡充、物品購入など間接経費に関しては、研究費で直接措置するのが難しく、運営費交付金や私学助成金を当ててきましたが、交付金などの削減でこれも難しくなってきたと指摘。2016年度予算では、全ての研究費について直接経費に外付けする形で、30%の間接経費を措置するよう要望しています。

出典:【学術研究懇談会】提言:自由な発想に基づく独創性豊かで多様な研究を継続的に支援することの重要性について

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大学ジャーナルオンライン編集部

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