全国大学院生協議会(全院協)は、2015年6月15日~9月15日に実施した「2015年度大学院生の研究・生活実態に関するアンケート調査」の結果を発表しました。

 このアンケート調査は、大学院生のアルバイトや奨学金の実態を把握するため、全国大学院生協議会が毎年行っているもので、今回で12回目となります。アンケートに協力したのは、118の 国公私立大学(国立大学法人73.2%、公立大学5.2%、私立大学 21.3%)の大学院生1051 人です。

 調査結果から、大学院生全体の 69.0%がアルバイトに従事し、大学院生の 3人に1人が、週 10 時間以上のアルバイトを行っていると回答。アルバイトをする理由については、91.5%が「生活費や学費・研究費をまかなうため」と回答しました。また、日本は先進諸国の中でも学費負担が極めて重く、私立大学の大学院生においては、半数近くの 46.6%が、年 60 万円以上の学費を支払っています。

 奨学金については、半数以上の65.0%が奨学金の利用経験があると回答。その多くが有利子のローンであるため、大学院生の 49.5%が 300 万円以上、4人に 1人の 25.3%が500 万円以上、さらに、2.6%が1000 万円以上の借入をしていると答えました。これらの結果は、大学院生の多くが、奨学金による借金が増えることを避けるため、たとえ研究時間を削られてもアルバイトをし、奨学金の借入を避けていることを示しています。

 全国大学院生協議会では、今回のアンケート調査で明らかになった大学院生の実態や声を踏まえ、大学院生の研究環境改善を目指し、2015年12月4日に国会要請を行うということです。

出典:【全国大学院生協議会】<速報>2015年度大学院生の研究・生活実態に関するアンケート調査報告書概要版が完成しました。

大学ジャーナルオンライン編集部

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