名古屋大学の関隆広教授らの研究グループは青い構造色を持つ鳥の羽を参考にして温度変化などの刺激で様々な色に変化するゲルを開発しました。ペーパー型ディスプレイの材料などとして利用されることが期待されます。

 綺麗な色を発するインクや化粧品には色の素となる様々な顔料が使われています。屋外に貼られたポスターは長い時間が経過すると色あせた状態になってしまいます。これはインクに含まれる顔料が紫外線などによって化学変化を起こしてしまうためです。また顔料には有害な物質を使用した物も多くあります。化粧品に使う場合には厳しい規制をクリアーしなければなりませんし、ヨーロッパを中心に規制を強化する動きもあります。こうした耐久性や安全性の観点から顔料に変わる色の素が模索されています。

 そこで注目されているのが鳥の羽です。鮮やかな青色の鳥の羽には数マイクロメートル(1マイクロメートル=0.000001メートル)以下のスケールで小さな穴が規則正しく並んでいます。この穴を通過する光は散乱され干渉し合うことで鮮やかに発色します。構造が破壊されない限りは色が変わることはありません。光の干渉の特性から、穴の間隔が変化すると異なる色を発することもできます。グループは温度の変化によって膨張・収縮するゲルに穴の構造を施すことで、様々な色に変化する材料の開発に成功しました。また、穴があらゆる方向に規則正しく並んでいるため、玉虫の殻のように見る角度を変えた際に色が変化することもありません。これまでにも微細構造と環境の変化によって色を変化させる材料は開発されていましたが、見る角度によって色が変化してしまうものばかりでした。

 今回の材料はペーパー型ディスプレイなどに使えないかが検討されています。同様の発想をゲルだけではなく樹脂などに応用すれば屋外でも色焦ることがないインクなど、その用途はもっと広がるかもしれません。

出典:【名古屋大学】角度依存性のない碧い構造色を示す鳥の羽を参考に、刺激に応じて色が変化するソフトマテルアルを開発

名古屋大学

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大学ジャーナルオンライン編集部

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