東洋英和女子学院大学(神奈川県横浜市)では、2015年5月と6月、難民の故郷の味を学食で提供し、売り上げの一部を難民支援協会に寄付するプロジェクト「Meal for Refugees(M4R)」(※1)を実施。同プロジェクトは、国際社会学部国際社会学科の滝澤三郎教授のゼミ生有志が企画・運営を担当。学生たちは食堂や大学との交渉、メディアへの広報活動などを行いました。

 活動のきっかけは、2014年12月ミャンマーからの難民2世で、M4Rの代表を務めるテュアン・シャンカイさん(※2)の話を聞いたこと。シャンカイさんは難民対象の推薦入試で関西学院大学に入学。友人達と会話するなかで、難民について知る人が少ないことに衝撃を受けて、学生の難民への関心・理解を深めることを目的に、2013年2月M4Rの活動を開始しました。

 同大学では、第1弾でパキスタン料理「まろやかチキンカレー」、第2弾では、ミャンマー料理「鶏肉とジャガイモのスパイス煮込み」、合わせて約500食を販売。売り上げの一部(一食あたり20円)が、難民支援協会を通じ、住居の手当てや食糧、医療などの支援に当てられました。参加した学生の一人は、「自分の何不自由ない生活が恵まれていることを知った。いつか国際協力の仕事ができたら」と話しました。

 2014年の日本での難民申請は5,000人と過去最多で、そのうち認定されたのは11人と少数。現在、M4Rに取り組む大学は、全国で計19大学(導入予定校含む)にまで広がっており、同大学でも来年度以降も続ける予定です。

※1 難民支援協会(JAR)が日本で暮らす難民と共に作ったレシピ本「海を渡った故郷の味 Flavours Without Borders」から始まった取り組み。難民の故郷の味を学生食堂のメニューに導入し、売り上げの一部を寄付するというプロジェクトで世界難民の日(6月20日)頃に実施されている。

※2 シャンカイさんの両親は民主化活動で迫害され東京に逃れてきたが、難民申請できず、オーバーステイの状態で1993年に息子シャンカイさんが誕生。出生届を出すことが出来なかった。2006年になってようやく在留特別許可を受ける。

 

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大学ジャーナルオンライン編集部

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