大学入試センター試験に代わる「大学入学希望者学力評価テスト(仮称)」の評価方法で、文部科学省は複数の正答が考えられる連動型複数選択+記述問題や説明、要約、作図など条件付き記述式、短答式が適切とする考えを専門家会議に報告しました。今後、この報告をたたき台にして、専門家会議で意見交換することになります。

 文科省によると、報告では初等中等教育から高等教育まで知識や技能を基盤とした思考力、判断力、表現力を重視すべきとし、思考力、判断力、表現力の育成、評価にマークシート方式の試験では限界があると指摘。高校教育で育てたい力を養い、それを的確に評価するには新テストで記述式問題の出題が欠かせないと強調しました。

 同時に専門家会議に提出した評価方法のたたき台では、出題例としてこれまでのセンター試験と同様の多肢選択式や計算問題などの穴埋め式出題に加え、連動型複数選択+記述問題、条件付き記述式、短答式を提示、これらの併用による出題を一例として掲げました。他に複数の正答が考えられる出題として、より自由度の高い記述式や小論文も挙げていますが、新テストより個別の選抜試験になじむものとして共通テストの出題例から外しています。

 文科省の専門家会議が9月に明らかにした中間まとめでは、新テストは2023年度までの現行学習指導要領のもとで短文記述式問題、2024年度以後の次の学習指導要領下でより文字数の多い記述式問題を導入する方向を示しています。

出典:【文部科学省】高大接続システム改革会議(第8回) 配付資料

大学ジャーナルオンライン編集部

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