三重大学および株式会社エクシング、その親会社であるブラザー工業株式会社は、2011年2月から実施した共同研究「カラオケとYUBAメソッドを用いた医療への応用研究」についての臨床試験結果を発表しました。

 共同研究では、三重大学の医学部・教育学部が作成した“YUBAメソッド※”とカラオケを使った歌唱療法プログラムに基づき、三重大学医学部附属病院の軽度・中等度の認知症患者に対して、半年間の歌唱療法を実施し、臨床試験を行った治験者10名と行わなかった10名とで検査結果を比較し、有効性を検証しました。

 研究の結果、YUBAメソッドとカラオケを使った歌唱療法プログラムを実施することで、BPSD(行動心理症状)が改善し、睡眠時間が長くとれるようになり、認知症患者の症状の安定化に繋がる傾向がみられました。また、家族による観察では、実施前と比較して意欲や情動、実行機能に好ましい変化が生じたとする報告が多く得られました。さらに、臨床試験前後での機能的MRI検査(fMRI)の脳画像分析結果からは、YUBAメソッドとカラオケを使った歌唱療法により情報処理の効率化が得られていることが分かりました。

 今後、2025年には700万人を突破すると予測される認知症患者の現状を背景に、株式会社エクシングとブラザー工業株式会社は、三重大学との共同研究で得られた知見を基に、認知症患者へのカラオケの新しい活用方法を検討していく考えです。

※YUBAメソッドとは、三重大学の弓場徹教授が「発声機能解剖生理学」の研究により構築した「YUBA理論」を基に生まれた新発声法。模範となる声をまねることで、ノドの「歌う筋肉」(輪状甲状筋)の使い方を習得させ、発声能力を短期間で効率的に高めます。

 

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大学ジャーナルオンライン編集部

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