京都大学の伊藤紳三郎教授らの研究グループはペロブスカイトという物質で作られた太陽電池を用いて、発電メカニズムを解析しました。その結果、二種類の太陽電池の長所を併せ持つ電池が開発できる可能性が出てきました。

 太陽電池は無機太陽電池と、有機薄膜太陽電池に大別されます。前者は発電効率が高いものの、シリコンなどの無機材料の板を加工するのに大きなコストがかかってしまいます。一方有機薄膜太陽電池は発電効率は劣りますが、材料をインクに溶かして塗布するだけで作れるというメリットがあります。このような両者のメリットを併せ持つ材料として注目されているのがペロブスカイトです。ペロブスカイトは特殊な結晶構造を持つ無機物質の総称です。無機物質でありながら有機溶剤に溶かしてインクのように扱えることから、高発電効率と低コストの両立を可能が可能だと期待されています。

 今回の研究ではペロブスカイトから作製した太陽電池を用いて、その発電メカニズムを解析しました。その結果、吸収した光を電流に変換する過程ではエネルギーロスが無いことが分かりました。このことから高効率かが期待できます。一方で電流の元である電子の流れを注意深く観察すると、再結合という現象によって流れ出した電子が足止めを受けていることが分かりました。

 こうして得られた効率向上のための指針を得ることができました。仮に、再結合を完全に抑えることができれば、その発電効率は無機太陽電池と同程度の25%にまで達することが期待できるといいます。高効率・低コストの太陽電池の実現への道が示されたことになります。

京都大学

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大学ジャーナルオンライン編集部

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