京都大学の野上准教授、上田准教授らの研究グループはブラックホールの瞬きを可視光でとらえることに初めて成功しました。これまでブラックホール近傍から出る激しい光の放出はX線という目に見えない強い光でしか起こらないと考えられていましたが、可視光でも起こることが明らかになりました。

 地球との正確な距離が分かっているブラックホールのうち最も近くにあるものは、はくちょう座V404星です。このブラックホールは通常の星とお互いの周りを回っている連星になっています。このような天体では通常の星からブラックホールに向かってガスが流れ込んでいることにより強力な光が放出されますが、この現象をアウトバーストといいます。はくちょう座V404星がおよそ十数年に一度アウトバーストを起こすこと、前回は1989年に起こったことから2000年ごろから再びアウトバーストが観測されるのではないかと言う期待が高まっていました。そして2015年6月から7月にかけて、26年ぶりのアウトバーストを起こしたのです。

 アウトバーストは過去の観測からX線のような強力な光が激しく放出されることが知られていました。しかし、今回のアウトバーストを観測したところ、X線だけでなく可視光でも瞬きを起こしている様子を観測することができました。光さえ吸い込むといわれるブラックホールから可視光が放出されることはこれまでの常識からは考えられないことでした。しかし、今回の発見によって覆されたことになります。

 この発見は特殊な観測装置を用いなくても、普通の望遠鏡でブラックホールを観測できる可能性を示しています。つまり、より低いコストでブラックホールの研究が可能になること、それによって研究が加速していくことが期待できます。またブラックホール以外のアウトバーストを起こす天体についても同様のことが起こっている可能性があり、今回の研究成果を応用したいとしています。

京都大学

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大学ジャーナルオンライン編集部

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