情報通信研究機構、北海道大学、大阪大学の研究グループは分子が溶液中で回転・拡散する様子を捉える計測手法の開発に成功しました。これによって、アルツハイマー病の原因と考えられている凝集性タンパク質の初期診断が可能になるかもしれません。

 蛍光分子が放つ蛍光の強さが変化する様子を測定することによって、分子がどのように運動しているのかを推測することができます。さらに動く速度から分子の大きさを見積もることも可能です。特に細胞内のタンパク質がどのように拡散していくのかを調べるのに適していることから、細胞生物学では広く使われている測定方法です。しかしながらこれまでは非常に短い時間の測定ができないという問題点がありました。そのためアルツハイマー病などの脳疾患に見られるタンパク質が形成される初期の段階を捉えることが困難でした。グループはこれまでにこうした問題を解決した超伝導ナノワイヤ単一光子検出器(SSPD)を開発し、性能評価を進めていました。

 そして今回、Qrodと呼ばれる直径7ナノメートル、長さ22ナノメートル(1ナノメートルは0.000000001メートル)の棒状の分子を検出することに成功しました。非常に短い時間で溶液中で回転・拡散していく様子を観測することができました。このことから生体内で形成されるタンパク質の初期段階についても検出が可能であると期待できます。

 今回は人工的に合成した分子での成果ですが、今後は実際のタンパク質を用いて実験を行っていくとしています。測定方法として確立されれば、アルツハイマー病などの神経変性疾患を超早期に診断する極めて有効な応報となる可能性があります。

大阪大学

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大学ジャーナルオンライン編集部

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